第2部は2重奏。前後左右に体格のいいスペイン人の中にあって、終演後にある女性客が言った「人形のような」華奢な日本女性、野口久子の登場に会場の雰囲気が変わる。1曲ずつ進めていくうち、会場のテンションは上がってくる。最後の「セビーリャ」を弾き終えたときは、総立ちとなって拍手を送ってくれた。
アンコールは「ルンバ・デ・オオサカ(ミナミのルンバ)」。ホーリー・ドウトンもスージー・ミドーも通用しないので、「大阪は笑いの町で人々は冗談を言い合って生活している」と説明し演奏。アドリブできっちり「ギャグ弾き」も披露して大うけだった。
CDを売ったり、サインをしたりした後、お店が打ち上げ用の席を用意してくれ、フランシスコ夫妻や同行のツアーの人たちと乾杯。ペーニャ《El Morato》の会長のご主人が有名なギタリスト、ニーニョ・デ・ラス・クエバス(洞窟の坊や)で、旧知の仲だが特別に席まで来て唄を歌ってくれるという。粋な弾き語りで、抜群にうまいパーカッション(カホン)も入り、ギタリスト志望の息子の演奏まで聞かせてくれるサービス。
フラメンコの本場でのコンサートを終え、充実感に満たされた楽しい時間が過ぎ、フランシスコの家に戻った時は3時半を過ぎていた。
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