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ホセ・マヌエルとフランシスコを迎えて(2) 2004年10月25日 発行

 8月24日、宝塚公演で会場は「ベガホール」。ここは阪神間でも川西市の「みつなかホール」と並んで音響の良さで定評のあるホールだ。リハーサルからビデオ撮影をして、いい録画ができればDVDにして残そうという案があり、早々に会場入りする。撮影のため練習もそこそこに着替えをしてリハーサル開始。ビデオはまわり続ける。リハーサルという感覚からか、会場のスタッフの出入りが多く雑音も多い。

 午後7時開演。客席は8割方の埋まりようだ。私がトップで演奏開始。順調に進んでいく。会場には在福岡スペイン国名誉領事館の芝山名誉領事ご夫妻がわざわざ福岡からおいで頂き、ホセ・マヌエルが「アルヘシーラス出身の奥様へ捧げます」とのコメントをしてアレグリーアスを演奏。アンコール最後のルンバが終わったときには、名誉領事は立ち上がって大拍手をされ、会場は熱い雰囲気に包まれた。

 翌日、私たちは豊岡へ向かって出発。豊岡へ行く前に二人にぜひ見せておきたかった、私は日本一だと思っている日本三景「天の橋立」を経由。高速道路が開通し、宝塚からは1時間あまりで「天の橋立」に到着できる。ここは子供の頃からよく家族旅行に来たところで、好転に恵まれて美しい景色を堪能することができた。有名な丘の上の「傘松公園」からの“股のぞき”をフランシスコに勧め、股の下から覗こうとしていたが、大きなお腹が邪魔して見えたかどうか…。二人とも景色の美しさに感動してくれたようだ。

 天の橋立を経由して豊岡のホテルに到着。「浜チャン」ことコンサートフラメンコギター協会北近畿支部長の濱田富美男氏を先頭に、コンサート実行委員会のメンバーが合流。ホールを下見してから前夜祭である交流会に出席。今回は非常にお世話になったという但馬酒蔵鰍フ社長も出席され、テーブルの上には酒瓶とビール瓶が乱立、テーブルの横には酒樽まで(困ったな…、飲まなくっちゃ…)置いてある。交流会には濱田氏と我がギター教室のオープン合宿で知り合い、緊密な交流が続いている播但地区の長井氏の関係者も多数出席、詩吟やギターも披露され、酒三昧の宴会にならなくて良かった。(それでもかなりいっちゃいましたけどね…)

 翌日、会場の市民プラザホールは6月に来た時には反響板もなかったのだが、ホールの方にそれとなくお願いしておいたら、急遽つい立のような反響版を作って下さり、随分改善されていた。それでも若干の音量の不安が残り、マイクを使用して生音とスピーカーの音とをミックスさせ、自然な感じで聞こえるように調節した。

 本番前の楽屋で、実行委員会のギター好き数名が、ホセ・マヌエル・カーノのワンポイント・ギターレッスンを受ける。直接の指導に受講者は感激!

 豊岡公演の模様は、濱田氏の発案でビデオ業者に撮影され、演奏の手元くっきりのDVDビデオとなっています。          (つづく)

 このたびの台風23号で豊岡は市街地の9割が床上・床下の浸水で多くの方が被害を受け、不自由な生活を強いられています。ここに謹んでお見舞いを申し上げます。

 秋台風ひぃふぅみぃと過ぎてゆき
 温泉も紅葉も悲し川あふれ
                                                      一葦
フランシスコの“股のぞき”