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年が明けて・・・          2004年1月25日 発行

 年が明けて2004年。「今年の目標は?」などとよく訊かれる質問だが、例年と変わりなく、自分の音楽を前進させていきたいなどと言うのが普通だが、今年は大きな二つの目標ができている。目標というよりも大きな仕事と言えるかもしれない。

 ひとつはクラシックバレエの法村友井バレエ団の公演に客演すること。このバレエ団のプリマである宮本東代子さんに、私の曲「予感‐ファルーカ」を気に入ってもらって、「是非この曲に振り付けをして、生の演奏で踊りたい」と言ってもらい、3月20日(祝)にNHK大阪ホールで出演することになっている。音楽だけではなく舞台の上に乗ってバレエの横で弾くとのこと。大変光栄な仕事である。別にJ.ロドリーゴの「アランフェス協奏曲」の第2楽章‐アダージョもオーケストラ伴奏で演奏する。目下、練習に余念のない日々である。是非、足をお運びいただきたいと思っている。

 もうひとつは、マヌエル・カーノ先生の子息、というよりすでにスペインを代表するコンサートフラメンコギタリストといえる、ホセ・マヌエル・カーノを8月に日本に招聘することである。何年か前から、ホセ・マヌエルには来日の可能性を打診されており、私自身が招聘の決心がつかず見送ってきたのだが、私自身の機が熟したと言うべきか、昨年秋ごろ2004年に招聘してみようという気になれた。現在、関西・関東などで5箇所のコンサートを企画し進行中だが、今後交渉を進めてもう少し増やしたいと思っている。詳しくは決定次第皆様にご報告する予定。呼ぶとなったら一緒に演奏はしたいので、準備のため、とりあえず2月10日から10日間スペインへ行ってくることにした。久しぶりの一人旅なので写真も撮ってこようと思っている。

 これら二つの仕事を抱え、できるだけこれらの仕事に専念できるように、無理やり仕事を入れないようにしている。忙しくしていないと落ち着かない性格だが、もう充分に忙しくなってくる予感がしている。そういえば、昨年も大変好評を頂いた「吉川二郎ギター教室オープン合宿」は、今年は5月のゴールデンウィーク開催だった。来月ぐらいから準備に入らなければならない。

 久しぶりの寒いスペインに行くことになる。マヌエル・カーノ先生が生きていたころはこんな時期が多かった。カーノ先生が亡くなってからすでに14年、私自身が初めてマヌエル・カーノ先生に会ったときの年齢になっている。でも、懐かしいあの日々は、ついこの間のような気がしてならない。

 ところでいつもの俳句だが、先日、眞鍋呉夫先生からお手紙をいただき、「箸棒」を改め、「一葦(いちい)」にしたらどうか、というお言葉を頂いた。「風におののく、考える一本の葦」という意味だそうである。

 有難く頂戴し、今後、この俳号を名乗らせていただくことにします。 

 眞鍋先生、有難うございました。しっかり勉強し、精進します。
 (吉川二郎はどんどん進化します… あぁ〜、大変だ)

 スペイン報告もお楽しみに。
 請う、ご期待!


 大阪女子マラソンの日
  雪止みし走る乙女の脚赤く

 散歩に歩いた大阪天満界隈
  街行きて人集う声初天神


                                                   一葦