2016年5月29日~5月31日 吉川二郎スペインコンサートツアー 2016



529日、日曜の朝、別れの挨拶のためミゲール夫妻の家に立ち寄ったのち、マラガ県の白い街、フリヒリアーナに向かう。毎年のように訪れている観光地だが、展望台にあるレストランが面白い。昨年初めてここで食事をしたのだが、店主が日本旅行滞在したこともある日本贔屓で、昨年はその旅行の写真をいっぱい見せてくれた。我々のことを覚えてくれていて、「二ホン、キレイ!」「二ホン、ダイスキ!」などと大きな声で叫びまくり、料理を持ってきて「メシヤガレ!(召し上がれ)」などと命令口調で懸命に愛想をしてくれる。料理も日本風にアレンジした「マグロのたたき」などもあり、フリヒリアーナの楽しみのひとつでもある。

街を散策したのちグラナダに向かう。河野さんもだいぶお疲れのようで、運転していてもかなり眠そうだ。昨年のコンサート地、ニグエラスに近かったので、休憩がてら、いつもお世話になる町会議員のトリニダーさんに会いに行こうということになった。

小さな広場のバルでコーヒーを飲んでから、バルの隣に住むトリニダーの家をのぞいてみる。陽気な旦那さんが出てきて、しばらくしてから普段着のままのトリニダーが笑顔で出てきた。きっと昼寝をしていて、身繕いに時間がかかったのだろう。しばらく談笑してのち、旦那さんがいいハイキングコースがあるので散歩に行こうと誘ってくれた。

シエラネバダ山脈の麓にあるこの小さな町には、すでに5回のコンサートで訪れているが、郊外を散歩したことはなく、グラナダへの途中だったので一瞬ためらったが、片道15分ほどということだったので誘われるまま散歩に出かけた。町はずれの小川沿いの細い道を進んで行くだけであるが、なんとのどかな景色だろう。昔、グラナダに住んでいたころ、カーノ先生の家族と郊外にハイキングに出かけた時のことを思い出した。予定より少し遅れてグラナダに到着。

翌日は忙しかった。午前中、ツアー同行のお二人は河野さんの案内でアルハンブラ宮殿観光。私と野口はカーノ先生の奥様、エミリアを訪問。昼食はいつものビブランブラ広場のレストランで合流。レストランの名前が変わっていたが、昨年まで愛想よく接客してくれた錦織圭似のウエイターもいて、安心して食事。どうやら彼が経営者になったようだ。

午後は、1977年からの友人、グラナダ在住の写真家の大井賢治さん宅を訪問。大井さんは昨年まで「FOTO KENJI」を営み、グラナダでは最も古い個人経営の写真屋さんであった。

いったんホテルに帰って、みんなと合流してから、夕食に招待されているホセ・マヌエル・カーノ宅を訪問。昨年、日本に来た時に、私の音量増幅用ギタージャケットの製作を頼まれていたので間に合わせて作り、それを届けるための訪問でもあった。ギタージャケットの音響効果やホセ・マヌエルの演奏を聞いて、ワインで乾杯。

531日、まだグラナダまで新幹線AVEが開通していないので、コルドバまで車で行ってからAVEに乗ればマドリードに早く着ける。コルドバの街の主要なところを観光し、予約している列車に乗り遅れないよう、バルで少しつまんでから駅に向かった。河野さんがレンタカーを返している間に乗る列車のホームを探すも、予定の列車そのものがない。河野さんが到着して切符を確認すると、なんと、それはマドリード発コルドバ行きの列車であった。あわてて予約を取り直すも、取れたのは2時間後の列車で、結局、コルドバ駅での遅い昼食となった。

マドリードでは恒例の街歩きとバル巡り。ムール貝、マテ貝、海老乗せマッシュルーム、豚の耳、親玉ピーマンなどなど…、スペインツアー最後の夜は更けていくのだった。(おわり)