2015年1月9日 吉川二郎 アルメリアのギター博物館にギターを寄贈

ギター博物館「アントニオ・デ・トーレス」(アルメリア市・スペイン)


アントニオ・デ・トーレス博物館 貴重なギターを受け取る

演奏家・吉川二郎がビスニエト・デ・トーレスのギターを寄贈

アルメリアの中心にある《アントニオ・デ・トーレス》ギター博物館は昨日、そのショーケースに新しい宝物を手に入れた。日本人ギタリスト吉川二郎によってホアン・フランシスコ・サルバドール・ヒメネス(偉大なアントニオ・デ・トーレスの曾孫、製作家の唯一の後継者)のギターが寄贈された。

 ルイス・ロヘリオ・ロドリゲス市長(中央)は昨日の午後、日本の演奏家の手から(すでに博物館で見ることができる)楽器を受け取り、「音楽的にも大きな価値があり大変感動的なギターの寄贈です。吉川二郎のスペインギターという我々の楽器に対する情熱に感謝します。そして、この寄贈はビスニエト・デ・トーレスによって実現されたこの素晴らしい楽器を、すべてのアルメリアの人々や旅行者が観察することを可能にします」と謝意を表した。

 吉川二郎はホアン・フランシスコ・サルバドールが彼のために作ったギターの内の1台を寄贈するためにわざわざアルメリアを訪れ、それによって《アントニオ・デ・トーレス》ギター博物館が所有する楽器のコレクションが拡大することになる。実際のところ、ビスニエト・デ・トーレスのギターは、現在ほとんどが日本に有る。演奏家は非常に感動していたようで、博物館に渡す前に何曲か弾いていたが、それらの内からアルメリアのタランタを演奏して別れを告げていた。

 吉川二郎の人生はスペインと、アルメリアの重要なギター製作家と密接な関係にある。演奏家であり、作曲家であり、日本の川西市でギター教師もしている。

 またギタルパという楽器を発明し、全国各地で活発に演奏活動を行っている。グラナダで巨匠、故マヌエル・カーノ・タマーヨに学び、彼がこのギター製作家を紹介してくれた

 ホアン・フランシスコ・サルバドールとは彼が亡くなるまで固い友情を保ち、彼が亡くなった後、アントニオ・デ・トーレスの仕事を継承した唯一の子孫へ、いくつかの作品をhomenaje(オマージュ)として献呈している。

 吉川は演奏家として、フラメンコやクラシックのインスピレーションにもとづく、ほとんどが彼自身の作曲であるギター作品を演奏する。何枚ものディスクを録音し、古くからの弟子である野口久子とのギターデュオやギター・ギタルパの形態で活発に演奏活動を続けている。スペイン国やスペイン製品の大の愛好家である吉川二郎は、何度も我が国各地を訪れ、リサイタルやコンサートを行なっている。

 《アントニオ・デ・トーレス》ギター博物館はアルメリアのまさに歴史的中心地(Ronda del Beatro Diego Ventaja s/n)に位置し、来館者が世界で最もポピュラーな楽器の知識を容易に学ぶという目的を持っており、それは「現代ギターのデザインの父」と見なされているアントニオ・デ・トーレスというアルメリア出身のギター製作家の最大の先駆者の手によるものである。一般公衆の積極的な参加もできる博物館で、11の部屋に、ギターの歴史の展示、アントニオ・デ・トーレス、教室とコンサートホール、期間展示のホールが振り分けられている。

LA VOZ DE ALMERIAアルメリアの声2015年 110